聖マリアンナ医科大学の SDGsへの取り組み

動物介在療法 病と闘う患者さまとその家族に寄り添い、医療現場の笑顔に貢献

2023.05.01 カテゴリー:活動テーマ:医療

活動概要
当院では2015年4月、大学病院として初めて動物介在療法(animal assisted therapy: AAT)を導入しました。AATとは治療計画の中に動物の介在により期待される変化を組み入れた治療ゴールを設定し、その変化を観察していく医療補助療法の一つです。対象は個人であり、医師または看護師の要請に応じ、定期的に活動を行う事で治療効果を上げていきます。2022年8月までに全ての診療科で年齢に関わらず、378名の患者さまに1,827件のAATが実践され、情緒的安定や闘病意欲の向上、自尊感情や自己肯定感の回復など、それぞれの患者に必要な効果を認められました。
AATは患者のみならず家族や医療スタッフにも精神的な安らぎを与えることができるため、勤務犬の周りにはいつもたくさんの笑顔があふれ、温かく優しい空気が流れています。
目標
■ 2015年より日本介助犬協会と共同事業として開始した動物介在療法活動の継続。
■ 動物介在療法の有効性を科学的かつ定量的、客観的に評価することを目的とした研究結果の報告。
■ 2023年度より多くの依頼に対応できるよう、ハンドラーの増員と活動環境の整備。
目標への取組
■ 動物介在療法の評価
・ AATの前後でface scaleを用いた疼痛の評価。
・ ストレス指標である唾液中のアミラーゼ・遊離コルチゾール濃度、オキシトシンの測定。
・ 質問紙法を用いた客観的評価。

■ 動物介在療法を提供するための環境整備
・ ハンドラーを2名から3名に増員。
・ 活動日を週2回から3回へ増やす。
・ 兼務で働く看護師の活動日の確保と仕事環境の整備。

■ 管理料取得に向けた活動
・ 効果と安全性のデータの蓄積。
・ 国の関係部署へ働きかけ。
聖マリアンナ医科大学は持続可能な開発目的(SDGs)を支援しています
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