活動テーマ:地域社会貢献

病気と就労の両立支援

活動概要
SDGs17目標の3つ目のテーマは “だれもが健康で幸せな生活を送れるようにしよう”です。今後は労働力の高齢化が進むことが予測され、事業場において疾病を抱えた労働者の治療と仕事の両立への対応の必要性が高まることは必至です。
当院では、神経難病の治療を行いながら就労されている方、脳卒中後遺症を抱えながら就労されている方を対象とし、2020年8月より脳神経内科 両立支援外来を開設しています。脳神経内科 両立支援外来ではソーシャルワーカーと連携協力のうえ、産業医資格を有した神経内科専門医、リハビリテーション専門医、社会医学系専門医といった医師が、患者さんの状況に合わせて担当し、事業場における産業医や安全衛生管理者と直接的に意見書の交換を行います。本外来を通じ、心身の状態に合わせた適切な働き方と、適切な業務内容を設定し、最良のプランを事業場に提案できることを目的にしています。
目標
■ 神経内科領域の診療ガイドライン、脳卒中診療ガイドラインにおいて「治療と仕事の両立支援」分野が掲載される
■ 全国の医療機関において、専門外来として「両立支援外来」が開設される
■ 様々な学会において、一つのテーマとして「両立支援」が取り上げられる
目標への取組
■ 両立支援外来における事例の蓄積
■ 大学病院に加え、附属病院にも両立支援外来を開設
■ 多くの学会において「両立支援」に関するシンポジウム講演を行ない、概念を普及させる

医療福祉相談

活動概要
疾患を抱え、医療を受けることは様々に生活への影響(生活自体の困難・不安、人間関係や社会的役割の不全)が出ることがあります。不利な立場になり、社会から取り残されてしまう可能性もあります。病院の中で、医療福祉相談は患者・家族の不安や困りごとの相談を受け、すべての患者・家族が疾患を抱えながらも生活環境を整えていくこと「ウェルビーイング(well-being)」を支援しています。
相談は専門のソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)が担当します。具体的には、心理的・社会的な問題に対する解決・調整援助(受診や入院に伴う不安への心理的支援など)、転院・退院に対する援助(転院先の病院の紹介、在宅療養についての情報提供など)、社会復帰に対する援助(復学・復職についての援助など)、経済問題に対する解決・調整援助(社会保障・公的補助などの紹介と活用など)についての相談を行っています。
目標
■ 院内外の研修会・学会等で発表し、医療福祉相談機能の啓発を行う
■ 公開講座、オープンホスピタル等で地域への医療福祉相談に関わる情報配信を行う
■ 治療と仕事・育児・介護等との両立支援、各種の虐待予防支援の中心的な機能を担う
目標への取組
■ さまざまな拠点機能を有する医療機関の相談部門として多様な相談対応を行う。特に両立支援についてはすべての医療福祉相談の担当ソーシャルワーカーが両立支援コーディネーターとなる。
■ 虐待予防については院内、地域の拠点機能を発揮できるよう体制構築、情報集約、研修の実施を行う。

児童虐待等社会課題への取組強化

活動概要
日本における子ども虐待の相談件数は20万件を超え年々増加傾向にあり、また高齢者虐待、障害者虐待、DV(ドメスティックバイオレンス)においても毎年一定数の方が被害にあわれており深刻な問題となっています。
当院は2001年に子ども虐待に対応する院内の虐待防止委員会として「Marianna Child Abuse Prevention」通称MCAP委員会が発足しました。さらに2008年には子ども虐待には限定されない取組の意味で「Marianna Committee of Abuse Prevention」と改名し、すべての虐待防止における支援を行っています。MCAP委員会は12の診療科の医師、看護師、事務スタッフ、臨床心理士、メンタルヘルスソーシャルワーカー、医療ソーシャルワーカーといった多職種で構成されているところが特徴です。
目標
■ 被虐待者(児)の早期発見ができ、命が守られ安全に生活ができる。
目標への取組
■ 虐待対応における研修会の開催(年1回以上)
■ 地域関係機関との連携強化

地域住民の更なる健康増進(筋力アップ教室)

活動概要
マリアンナ筋力アップ教室は、2007年に川崎市教育委員会との連携事業として始まりました。
教室では、体力測定、医師の講話、主に下肢のストレッチと筋力トレーニングを紹介し、参加者各自にわかりやすく、きめ細やかな指導を実施しています。対象は、川崎市在住・在勤の65歳以上の方で、現在までに785名の方が参加されています。また、継続してトレーニングを行えるように、マリアンナ筋力アップ教室を修了された方を対象とした「マリアンナ筋力アップ・フォロー教室」を2か月に1回開講しています。
その他、川崎市生涯学習財団かわさき市民アカデミー地域協働講座、全国安全週間川崎北地区推進大会特別講演など、高齢者のみならず、中高年者や労働者に向けた講習会などでの講義・実習を担っています。
目標
■ 学会参加などにより得た最新知識の提供など、より医科学的に健康を目指す教室として、地域住民の方の健康寿命の延伸に貢献する。
目標への取組
■ マリアンナ筋力アップ教室の継続的な開催
■ 2016年10月に独立した疾患として認定された『サルコペニア』や、2020年4月より75歳以上の後期高齢者を対象とした始まったフレイル検診の周知とそれらに対応した測定項目の見直し。

地域住民の更なる健康増進(公開講座)

活動概要
本学では1981年度より近隣地域の一般市民に向けた公開講座を毎年開催し、一般市民に関心の高いと思われる病気の診断や治療、また健康増進や日常生活における疾病予防に関する情報等をわかり易く解説してきました。
公開講座は従前より、対面で開催していましたが令和3年度からはオンデマンド配信へ公開手法を切り替えました。また例年、川崎市教育委員会の連携事業として申請しており、より多くの市民への周知を図っています。発信する情報については大学のみならず附属病院等においても市民への地域貢献として医療情報提供を目的とし、積極的に開催しています。
少子高齢化時代に入り高齢者は「元気で長生き」を目指し、ますます健康に留意する必要性があることから、地域住民に対し公開講座を通して「健康と福祉」に寄与するための情報を提供しています。

公開講座の詳細についてはこちらをクリック

目標
■ リベラルアーツ、基礎医学をテーマとしたシリーズ講義を開講する
■ オンデマンド配信により受講者数の増加を図り、年間PV数延べ6,000件到達を目指す
■ タイムリーな情報発信ができるコンテンツ作製システムを構築する
目標への取組
■ 地域住民が関心を持つ医学情報または講義内容を調査する目的で、教職員および
受講者を対象としたアンケートを行う  
■ スポーツ医学講座と連携し、スポーツ(運動)による健康増進方法に関する情報を
公開講座として発信する

医療体験メディカルキッズ

活動概要
医療体験「メディカルキッズ」は地域の小学生を対象に、医療と健康への関心をもってもらうことを目的に2013年より開催しています。
参加者は2022年度までに407名が参加し、開催形式は対面の他、2022年度はオンラインで開催しました。オンライン開催では、多職種による病院の職種紹介・施設紹介、医学生スタッフのサポートの下、聴診器づくりを体験してもらい、実際に、作った聴診器で心音を聴いてもらいました。
目標
■ 継続的に医療体験「メディカルキッズ」を開催し、2030年までに800名の参加者達成を目指す。
■ 参加者による満足度調査(アンケート結果)を高水準に保つよう企画検討を行う。
■ 医療体験スタッフは医師、看護師、メディカルスタッフのみならず、医学生、看護学生も協働し、医療人の育成に努める。
目標への取組
■ 川崎市と連携し、広報活動を活発に行う。
■ 新しい体験型のメニューを考案し実施に繋げる。
聖マリアンナ医科大学は持続可能な開発目的(SDGs)を支援しています
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